こちらは職人、ただいま交信中!

いきていく物語です。

気が向いたときに、思ってることを書いていきます。
相互に「交信」をする場です。コメントおよびトラックバック歓迎です。
主に鉄道と飛行機を利用する旅人です。
2008年にoneworld Sapphire、2016年にStar Alliance Goldのステイタスを取得。これらを有効に活用した空の旅についても発信していきます。
日本国内の無線従事者資格や、関連資格の多くを取得しており、その受験記も蓄積しています。
内容には誤りがないよう努めますが、誤りがないことの保証はいたしかねます。

2016年9月 思い出のV Air ZV209

筆者はもともと2016年7月に、同年9月の台湾旅行を決めていましたが、日本から台湾に向かうフライトについては、まだいくつかの選択肢を検討しておりました。

そして2016年8月のある日、衝撃の発表。
台湾初のLCCであるV Airが、同年9月30日をもって「1年間の休業」をすることを発表。
(しかし結局、親会社の破綻に伴い、再開かなわず)

V AirLCCのわりには快適で、雰囲気が可愛らしく、お値段はしっかり安いという評判を聞いており、いつか利用してみたいと思っていました。

となると、今しかない!(「1年間の休業」ということにはなってたが)
V Airに乗る最初で最後のチャンス!(「1年間の休業」ということにはなってたが)
というわけで航空券を購入!

フライト:ZV209 2016年9月24日 KIX 12:30発→TPE 14:10着
運賃諸税:14,220円(預け荷物15kg×1個)
支払手数料:800円
機内食:1,120円
計:16,140円

そしてフライト当日。
V Airの規定する流れは以下の通り。

出発120分前:チェックイン開始
出発45分前:チェックイン終了
出発30分前:搭乗口にいること
出発10分前:搭乗終了

ということですが、チェックイン開始の定刻10:30から7分程度で搭乗券と持込手荷物用のタグを手に。
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会社のキャラクタは熊です。Formosan black bearという台湾産の品種とのこと。かわいらしい!Kawaiiです!

さくっと出国して10:45。
それから南ウィングを20分くらいうろうろし、ZV209への搭乗口である2番ゲートを確認。
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カードラウンジの「六甲」の窓越しに、折り返してZV209になる予定の、ZV208がやってくるのが見えるはずと考えて、その着陸に備えて待ち伏せしてましたが、ドリンクを取りに行った隙に…

11:45、とっくに着陸してしまったどころか、2番ゲートへの到着まであと1歩でした…
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12:10ごろ、搭乗開始。
機体記号はB-22608です。
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座席はふかふかで座りやすかったです。なんと3席並びを独占できました!
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シートピッチ(前席との間隔)も、レガシーキャリアLCCでないエアライン)同等の水準であり、まったく圧迫感がありませんでした。
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機内食のメニューはこんな感じ!
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筆者はパイコー飯(Pork Chop with Rice)を、上述の通り1,120円で予約済みで、メニューには以下の右上のように紹介されていましたが
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現物はこんな感じ!
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味はまずまずです。メニューの写真に気合いを入れすぎだと思いました。
機内食の配布は、航空券購入時に予約していた乗客が優先され、そのあとに当日購入可能でした。
受渡時は客室乗務員から搭乗券の提示を求められ、日本語で「熱い」と注意喚起。
客室乗務員とは基本英語でやりとりしていましたが、そこだけあえての日本語でした。

機内販売は、ワインも弁当箱もことごとく売り切れ。LCCではありがちなブランケットを購入。カード決済OK。
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デコレーションにもこだわりがありますね。
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だがしかし、楽しいフライトはあっという間。台湾島にさしかかりました。
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ほぼ定刻の14:10にTPEに到着し、バスに乗せられ第1ターミナルのビルに向かいます。
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初めてのV Airでしたが、あたかもずっと親しんできたものとお別れするような、せつなさがこみあげました。
到着後、預けていた荷物を受けとり、30分後には台北に向かうバス乗り場にいました。

ZV209の搭乗率は、半分もいっていなかったでしょうか…
(そのおかげで快適だったともいえますが)
近い時間にジェットスターもありますから、お客さんの獲得が難しかったことが想像できます。
親会社の規模が全然違いますし…

印象的だったのは、雰囲気が全般的に明るいこと。客室乗務員がフレンドリーでいきいきしていて陽気でした。
機内販売の商品はほとんど底を突いていましたが、それ以外にまったく悲壮感的なものを感じませんでした。
LCC業界は「事務的に粛々と物事を進めている感」を感じさせるところが多いように思います。
例えばKIXを拠点とするPeachは、「移動する手段」以上の何も求めていないでしょうし、筆者も「ひたすら寝る」ことに徹するようにしています。
しかしこのV Airは、起きていて息をして身を任せられる感じでした。「通勤電車」のような飛行機でなく、まさしく「旅行の移動手段」だと思いました。

そして…
親会社のトランスアジア航空も同年11月に破綻、現在会社が清算されたばかりなのか、目前なのかいうことで、V Airも再起への道が断たれてしまったといえます。

機体記号B-22608の飛行機はトランスアジア航空からAviancaに売却され、N805AVとして飛んでいる模様です。
https://www.planespotters.net/airframe/Airbus/A321/N805AV-Avianca/xw09Hgl4
機体記号 : N805AV (Avianca) 基本情報 | FlyTeam(フライチーム)

台湾のLCC業界のパイオニアであり、世界的にも異端児だったと思いますが、そこに立ちはだかったのは、大きな資本のもとでもっとコストを切り詰めないとやっていけないという事実だったのでしょう。息が詰まる思いです。

個人的には、移動の時間も、ほっとしたいです。
移動の時間も含めて「旅行」です。
石油王でない人はみな、もっと窮屈なLCCに乗らないと台湾に行けなくなるのでしょうか。
過度な競争はよくないでしょうが、適度な競争はあってほしいと思います。