洋上投票:1票36万円
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050901k0000m010155000c.html
会計監査院が、洋上投票の「1票」に金がかかりすぎだと指摘したそうです。公職選挙法などの問題点は、多くの人が認識してるところですが、通信業界の人間として思うところを。
陸上の通信は、携帯電話、IP網、どんどん値下がっているのに、なんで海上通信のコストは高いんでしょう。第1級〜3級の海上無線通信士の法規の試験問題を見ても、インマルサットのことはさらっとしか書いてありませんが、いろいろネットサーフィンしてると、かなりのコストがかかるということがわかります。電話代でも、1分数百円の世界。シーマンからしてみれば、切っても切れないインフラなのに、陸の産業界からしてみれば、ニッチ中のニッチだからでしょうかね。政界は郵政民営化とかで必死になっているくせに、こういう世界になんで切り込もうとしないんでしょうかね。少数を切り捨てるのが、日本の「民主主義」ですかね。確かに、総合無線通信士が必須だった時代から比べれば、かなりハイテク化されていますが、にもかかわらず日本の船業界がシュリンクしてしまっているのが、皮肉なところです。
郵政が民営化されれば、田舎の郵便局は、きっと現状の海上通信と同じ状況になるでしょう。政治家に、本当に日本を建て直す気があるのなら、田舎に生きる日本人を、そして海に生きる日本人を切り捨ててはいけません。大政党の政治家は、こういう人が票を投じることが、邪魔だと思っているからですかね?とにかく「36万円」かかってしまう日本の通信業界の事情を、政治家にはまじめに考えてほしいところです。