こちらは職人、ただいま交信中!

いきていく物語です。

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主に鉄道と飛行機を利用する旅人です。
2008年にoneworld Sapphire、2016年にStar Alliance Goldのステイタスを取得。これらを有効に活用した空の旅についても発信していきます。
日本国内の無線従事者資格や、関連資格の多くを取得しており、その受験記も蓄積しています。
内容には誤りがないよう努めますが、誤りがないことの保証はいたしかねます。

第1級海上特殊無線技士受験記

はじめに

まず断っておかなくてはいけないこととして、右の耳の穴の中が腫れており、高音が聞き取りづらくなってしまっている。このため英語などの聞き取りに支障が生じるおそれがあり、かなり心配な感じ。なんとか前のほうの席を確保。ここ日本無線協会本部の2号室には1号室同様常設のスピーカがあるにもかかわらず、電気通信術および英会話の音出しにはごく普通のMDラジカセが使われた。(1号室は航空特。)というわけで、心配しながら本番を迎えた。

学科試験だと所定時刻ぴったりに始まるわけだが、今回は所定時刻である13時をまたぎながら試験の説明。電気通信術の送話の話がまったく出てこないので、もしや廃止されたのかと思いかけたが、最後に隣の3号室でやるとのこと。ということで、順序としては電気通信術(受話)、英会話、学科試験(法規と無線工学)、そして電気通信術(送話)の順だ。なお、工学だけの免除者、工学と法規の免除者の名前が1人ずつ呼ばれ、退出に関して注意があった。学科試験の途中退出は開始30分後だが、工学だけの免除者はその時点で強制退出し送話待ち。また法規も免除になる人は英会話終了後退出し送話待ち。受験番号的には46人がエントリしているが、工学だけの免除者は筆者を含め6、7人ほど、工学と法規の免除者は2人。基本的に、工学だけの免除者は1陸技2陸技、あるいは4海通持ちであり、工学と法規の免除者は3総通持ちということになる。

電気通信術(受話)

アマチュア無線の試験のモールス受信の用紙と同じものが配布される。字数は1枚に十分収まるとのこと。(100字だからね。)縦に書くんですかと聞いた受験生がいたが欧文なので当然横です。音量調整のため耳慣らし文が出されるが、さすがMDだけあってクリアな音。日本人っぽい発音で拍子抜けするが、きちんと認識できそうで安心だ。最後、ZOOLOOがZOOにしか聞こえない。正常な耳ならZOOLOOに聞こえるのであろうが、そこは自分でキャリブレーションだ。あと、PAPAが思ってたより「淡泊」だ。PAH PAHのように発音するかと思っていたが、実際は「パパ」(あえてカタカナで表記)に聞こえた。このへんは、最後の送話の試験に反映することとなる。筆記のペースは理屈上は2アマよりやや速いことになるが、暗文なので5文字ごとにスペースが入っており、テンボがとりやすい。1行に書くのは20字。間違えて80字のところで鉛筆を置きそうになってしまったが、慌てて81字目から85字までを筆記。だが結局難なく終了した感じ。ただ、pの字だけ筆記体臭さが入ってしまった。去年12月に受験した1アマよりはだいぶましな字で書けたが2アマよりはやや崩れた気がする。アマチュアならともかく、これはプロの試験なので、品位点の採点が厳しいことだろう。その点心配だ。「はじめます本文」の時点で13時10分ごろ。なお受信用紙の資格欄には、1アマ2アマのときはそれぞれ「1アマ」、「2アマ」と書いた気がするが、今回は「1海特」でなく「海特1」と書くように指示があった。

英語

英会話と称されているが自分で会話するわけでなく、流れてくる英文を聞きとり英会話として成立するような選択肢をマークする形式だ。受話と同様耳慣らしの機会があるが、カセットが音源のようでハイが落ちた感じの音だ。マークシートには7問ぶんのスペースがあるが、使うのは5つだと注意。試験の形式の解説も、そのテープに入っているが、この説明は日本語なので、あんまし緊張することはない。ネット上の情報通り、1問につき質問文は3回読まれ、3回目だけが速めだ。そして、質問に整合するような選択肢を問題用紙に印刷された選択肢から選ぶ。Webで公開されている問題には質問文も掲載されているが、現場の問題用紙には選択肢しか印刷されていない。3回目の読みのあと、次の問題まで考える時間は1分。50秒のところであと10秒の合図。本来は、この1分は次の問題の選択肢を先読みし、次の質問文を想像する時間なのであるが、上述の通り筆者は英語の聞きとり能力が劣化しており、やはり難儀することとなった。1問目は“What is your full speed?”と書き取る余裕があったのだが、2問目からそれがつらくなる。2問目の選択肢にpassengersという語があるが、流れてきた質問文からはpersonのような語が聞こえたので、混乱。ZOOLOOがZOOに聞こえるいまの筆者の耳なので、本当はpassengerなのかpersonなのか、迷うのだ。母音を中心に成り立っている日本語に対し、英語は子音を認識してなんぼの言語と言われているが、その子音が本当に聞こえないのである。しかし、文法的な整合性から、選択肢を絞れた気がする。なお、この1分間の間に、マークもしないといけない。普通の学科試験なら最後にまとめてマークすればいいが、英会話の試験にその時間はない。自己採点用に問題用紙に印をしてすぐにマークをするわけで、マークミスが心配でならない。今日の筆者の状態は確かに希な状態であるが、やはり、耳の調子は万全にしたいものだ。3問目は、前置詞とか冠詞関係がかなりぼやけて(いや、ぼやけて普通なのだが、それ以上に。)聞こえてしまった。普段の自分の耳なら楽に聞きとれそうなレベルなのに。ただ断っておくと、耳の調子が悪かったのを抜きにしても、この質問文の発音はなんか怪しい。いかにも「日本人でないがネイティブスピーカでもない」感じのアクセントなのだ。Yes / Noを問う疑問文なのに文末が上がってなかったり。ちゃんとした先生がしゃべっている英語に慣れている人ほど、多くの日本人は違和感を感じることだろう。3問目、4問目は、なんとか聞きとれなかった語を文法的に補完。5問目も同様だが、coalって確か石炭だったよなぁでもなんかつながらないなぁと違和感を感じつつ終了。マークシートはすぐに回収され、マークミスがないかどうか本当に不安。13時20分過ぎごろに始まり13時半前くらいに終了。

学科

13時35分に開始。上述の通り筆者は工学が免除なのだが、2枚の問題用紙のそれぞれの片面が法規でもう片面が工学という不思議な印刷になっているので、おのずと工学の問題も入手。事前に勉強した通りの内容がほとんど。法規2問目のレーダの電源電圧の許容変動幅なんて、ほんと最初に覚えたことだし。ただその一方で、過去問に必ず見られた電波法第59条の問題がない。かわりに1分を超えて使用してはならない周波数を問う問題あり。理屈で考えれば呼出用周波数の類であり、結局正答できたが。自己採点の結果、満点だ。心配なし。なお法規と工学の問題番号は連番になっており、法規が1〜12、工学が13〜24だ。マーク位置に要注意。

電気通信術(送話)

2号室を退室の際、まず強制退出組つまり工学免除組が先に退出、そのあと任意退出組だ。このときに受験整理票も提出。1、2分ほどで名前が呼ばれ、3号室に入り指定された試験員の前に座る。机に置かれているのは受信用紙と同じ用紙に暗文が印刷されたもの。「初めてですか?」などと簡単な会話をし、試験開始。試験員が計時を始めてから「はじめます本文」を自分で言い送話。アクセントがやばい箇所がときたま発生したが、最後一瞬間を置き「終わり」で終了。受話の脱字は1点減点だが、送話の脱字は3点減点であり、とにかく誤字脱字のないように徹した。一部のアマチュア無線家が使うような、間違ったフォネティクスが頭に浮かびかけたが、必死に振り切った。細かい数字はうろ覚えだが、1分34秒とのこと。あまり速く読んだつもりはないのに、意外。受話と同じくらいの速さで読んで、万が一時間オーバーになっても合格点は確保しているような状態を狙ったのだが、思ったより上出来だ。試験員よりコメント。訂正もありませんでした、そして、1文字だったか一部発音が不明瞭なところがありましたと。最後「よくできました。」と、合格点だったことをほのめかされ、終了。これにて全日程終了。航空特の受験生と思われる人でごった返している。こちらは若者が多い。江間忠ビルを出たとき時計は、14時10分ごろを指していた。

総評

この試験だけのために頑張ったことが役に立った割合が少ないなぁというのが素直な感想。今までの積み重ねが功を奏した(合格が決定したわけでないが。)ところが大きいと思う。英語の聞きとりは純粋に学生時代や会社での研修などの成果だろうし、電気通信術は1アマ向けにモールスを覚えるための自作教材についでにフォネティクスを吹き込んで一緒に覚えた成果だろうし、法規なんて、1海特の試験勉強で初めて知った内容も多かったが、最後は今まで受験したほかのあらゆる無線従事者資格の勉強からの積み重ねに助けられたようなものだ。英語でマークミスしてないかどうかだけが心配だが、万が一落ちたとしても8月の航空通、9月の3海通で頑張ろうと決心したのであった。