こちらは職人、ただいま交信中!

いきていく物語です。

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主に鉄道と飛行機を利用する旅人です。
2008年にoneworld Sapphire、2016年にStar Alliance Goldのステイタスを取得。これらを有効に活用した空の旅についても発信していきます。
日本国内の無線従事者資格や、関連資格の多くを取得しており、その受験記も蓄積しています。
内容には誤りがないよう努めますが、誤りがないことの保証はいたしかねます。

革命アイドル暴走ちゃん『騒音と闇』

2014年2月15日と16日に、計4ステージを観た。大雪をかき分けて、そして交通網を縫うように、横浜へ。

日本国北海道出身の演出家・コレオグラファーの二階堂曈子氏が、2013年に関東地方で結成した劇団。いや、パフォーマンス集団といったほうがいいか。劇団員は映像(客入れ時に上映)出演のアマンダさん含めて4人だけど、客演さん含めて、30人弱のパフォーマーが、激しいダンスと、絶叫を取り入れた、芝居的なシーン達を、数十分にわたり、紡いでいく。

二階堂氏が学生時代に結成した「バナナ学園純情乙女組」が、2012年末に不慮の事情で解散。そして、「暴走ちゃん」として、2013年夏、ヨーロッパ3か国の演劇祭を巡るツアーで再始動。そして、今回、日本への殴り込み公演を敢行。

ヨーロッパツアーは、新団体として肉体のキレをいっそう押し出した印象がありつつも、使用曲などの観点で見ると、二階堂氏の集大成を海外にお披露目する的な意味合いが大きかったと思う。一方今回の横浜公演は、新曲が多く、文字通り、再始動。

今回のタイトルは「騒音と闇」であって、バナナ学園以来の淫靡なタイトルとは一線を画するもの。しかし、公演の中身は、いい意味で何も失っていなかった。二階堂曈子氏はたくさん失ったものがあったはずだが、このステージは、失ったものを取り戻した感じ。それも、力尽くで取り戻した感じは、表向きには見せず、さりげなく、しなやかに新しいカラーを取り入れていた感じ。いっそう肉体的にしなやかで揃ったパフォーマンス。光と影と闇のビジュアル。劇団員、加藤真砂美さんの「書」。

おじょー(これまで客演の立場で参加しており、今回劇団員としてデビューの高村枝里さん)のビジュアルが垢抜けていた。超長髪の緑のウィッグ。加藤真砂美さんがいっそうりりしく。バナナ以来のキャストも、初見のキャストも、いっそう筋肉質。ヲタ芸をアートにする、それ以上のものがある。リアルな肉体と、絵のような表現が入り交じっているようで、人間以上の人間、絵画以上の絵画だということだ。

あと、特筆すべき点を箇条書き。

  • オーディエンスに向けて飛んでくる水が、これまでより少なめ。季節的に適切規模では。
  • 映像が、サイドにも投影されており、鮮やか。
  • どのステージもすべて前方で観戦したような。整理番号が基本的に若い番号ばかりで。
  • 「劇場履き」を各自用意して、履くよう要請されていた。バナナ学園以来、キャストは必ず、学校用の上履きを履いていたので、筆者もそれに準じた。一方、劇団が「劇場履き」を持参しなかったオーディエンス向けに用意してたのは、お風呂洗い用の靴。なるほど、それでもよかったのか。日常生活で使えるし。
  • 物販ではDVDの予約とかTシャツの販売とか。最近話題のSquareによるカード払いも導入。こういう面も、意欲的。アートの世界、いや、日本社会にいろんな意味で新しいものを提起しているよう。