篠原ともえ 青梅市凱旋ライヴ 2011
青梅の町がレトロでクリビツ。JRの駅のイキフンはレトロに作られていますが、駅を出るとリアルにレトロ。ひなびたイキフンのスーパーマーケットの、ひなびたイキフンのおそば屋さんで1杯引っかけてから、会場の青梅市民会館へ。人の通りが少ない。この会場(1965年建立)も、いかにも1960年代っぽい内装。
開演が18時というのに、機材トラブルのためホールに入れたのは17時50分夜少し前あたり。それまではロビに客が詰め込まれてたけど、混乱なし。定員600人程度、客はその半分。直前に買ったチケは前から6列目くらいの下手寄りだけど見やすい。物販は「桜の咲くまで」の円盤と、今回の公演のポスター(青梅ポスター)のみ。
オープニングビデオの落ちついてかつ可愛らしいナレーションは、篠原本人の声なんだね。
自作曲“Anything”で公演開始。歌いだしで一瞬音を外したかと思いきや、実はキーを下げていたのであった。終始声が伸びやか。2年くらい前の最後のお台場出演のときは歌うのが苦しそうだったけど、最近はライヴが多いということで、何かの壁を破ったような歌いっぷり。カヴァー曲は不安定だったけど…。
篠原は、ライヴをやる場合パーカッションのスティーブさんにオファーしてから他のメンバを決めてるとのこと。ドラムなしの非フルバンドだけど、篠原の声が伸びやかだからこれでいいかもな気がする。レインボー・ララ・ルーがフルバンド時の速いテンポでなく、CDと同じスローテンポなのが新鮮だった。
中盤は石野卓球プロデュース時代のシングルメドレー。確かスピーカによじ登ったりしたのもこの辺り。スタッフの着てたTシャツは「節電気グルーヴ」。衣装も青梅にちなんだ青基調のをはじめとして、今の篠原にぴったりのドレスオンパレード。昔の衣装のリボンを再利用するなどいろいろ巧み。“MUSIC”を本編ラストで歌唱。
アンコールだったか、ダブルアンコールの最後に、ありがとうメッセージを即興で歌ったのだけど、ループマシンを駆使して自分の声をその場で多重していった!ギターで同じことを山弦がやるのは見たことあるけどヴォーカルそれをやるのをライブで見たのは初めてだ!詞も曲も即興なんだって!かくして2時間の公演は桜色に染まってお開き。実質2時間。
篠原ともえ史上おそらく最高のヴォーカルと、自分ならではのドレスと、ループマシンの名人芸に満足。いい意味で芸歴16年現在31歳とは思えない美を感じた。ひとり多重コーラスの「桜の咲くまで」は今の篠原でないと歌えないね。ひとにはできない内容。こんな調子なら今後も継続的にライヴに行きたい。ただ、やっぱしフルバンドをまた従えてほしいとも思った。