こちらは職人、ただいま交信中!

いきていく物語です。

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主に鉄道と飛行機を利用する旅人です。
2008年にoneworld Sapphire、2016年にStar Alliance Goldのステイタスを取得。これらを有効に活用した空の旅についても発信していきます。
日本国内の無線従事者資格や、関連資格の多くを取得しており、その受験記も蓄積しています。
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中ノ森BAND解散

6月30日に、中ノ森BANDの当日付の解散が発表された。
解散理由は「それぞれの音楽性の違い」という、いかにもこの業界の常套句。普通なら、真に受ける言葉ではない。

まずは、中ノ森BANDに、「ありがとう」と言いたい。
おかげで、いろいろな方と出会えたし、そして、いろいろなバンドと出会えたから。

中ノ森BANDのよかったところ…調子のいいときのライブは、本当にパワフルで、高まった。自分が参戦した中での、ベストライブは、2006年10月29日の山陽学園の学園祭。のびのびとしてて、そしてゆっこ凱旋ならではの温かい現場だった。

そのほか、幾多のライブをしてきた。余計な打ち込み音源が使われたときもあったけど、もともと実力のあるミュージシャンが集まってたわけだしね。

でも、その一方で、調子の悪いときは、ほんと「響かない」ことも多かった。ワーストライブは、複数あって、いつのどこだかは具体的に書き出せない。リハではいい音を出してたのに、本番では引っ込んでたり。演奏してる本人の意向というより、事務所サイドの大人の事情みたいなやつで、PA屋にそうさせてる感じの音だった。

結局、中ノ森BANDの問題点って、そこなんだよなぁ。
1人1人、持ってる「音楽性」は違って当たり前。ましてや、バンド結成以前は、それぞれの世界でやってた人たちだから、なおさらだ。それなのに、なんだかの圧力で、「音楽性」が抑えつけられてた感じ。ひとから提供された曲が多かった。抜けたギタリストが最初からいないことにされた。それなのに、ギター以外の楽器を活かした曲がなかなか出せなかった。いつでもベストライブができなくてはいけないプロ軍団のはずが、どこかボタンを掛け違えたような感じになっていった。

ここで、普通なら、自律的に成長でもしていくはずだが、中ノ森BANDにはそれができなかった。公式ブログもあるのに、なぜか賞賛コメントばかり。数十件もコメントがあっても、「本気」で「音楽性」に関する感想を書いたオーディエンスは、何人いたことだろう。勘違いをする客も出てきた。女だから、後ろから前に入っていいとか、女は男より前に入れてあげるべきだとか、私たちは、本人らから認識されてる特別な客だ、とか。客も客だが、バンド側もこうした客だけの機嫌を取っていては、いつまでたってもライブがよくなるわけない。「旅への扉」のCDの売り方も問題があった。DVDのついた初回盤、ボーナストラックの入った通常盤。なけなしの小遣いしかもらえないリスナーはどうすればいい?両方買いたくないという人もいたかも。で、タイトル曲より、通常盤のボーナストラックの曲のほうが、よほど「音楽性」のあるいい曲だったりする。曲がかわいそうだ。子供にも、大人にも、嫌気がさすやり方だ。何か違うよなぁ。ライブもCDもこれでは、方向性を変えるしかない。でも、時既に遅し。その結果がようやく、今回発表された形だ。驚いたことに。

こうして書いてみると、「音楽性の違い」という言葉は、ある意味当たってる気がする。何に対しての「違い」かによって、どうにでも解釈できるわけだが。

で、驚いたといっても、解散に驚いているのでなく、あくまで解散を「発表」したことに驚いている。Vision Factoryは、見た目自然消滅させるのが、これまでの社としての方針だったのでね。でも、せっかくここで、結果がはっきりしたからには、ちゃんと各人の適性が生きる道に進んでほしい。4人集まってやるより、1人ずつでやるほうがいい仕事ができるのであれば、「解散」するのがベストなのだから。ただ、タイアップなどに恵まれた「高速道路」を走るのでなく、「一般道」、あるいは「あぜ道」からやり直すことになるかも。その分、しっかり足を踏みしめて、やってもらわないと。

結局、中ノ森BANDは、CDを出した、楽しい思い出をくれた以外に、何を残したのだろうか。音楽ファンとしてのみならず、人間としても許せない、えせファンに関わってしまったりもした。でも、今ここでそいつらを叩いてもしょうがない。そいつらを「反面教師」と考えないと、今自分が好きな、そしてこの先出会うアーティストをダメにしてしまうだろう。好きなアーティストを独り占めするのでなく、そのアーティストをよくするために、必要に応じて本人や、マナーの悪い客なんかに厳しいことを言わなくてはいけないときもあるし、それに、前に入れてあげるなら、女だからじゃなくて、新規ファンだから、だよな。中ノ森BANDはもう帰ってこない。これからのアーティストに対して、どう臨むかが大事だ。

最後に、中ノ森BAND、そして、それを通じて出会えたヲタもだち、ミュージシャンの皆様に、改めて、感謝。中ノ森BAND各メンバの次の人生に、そして次の世代のアーティストに、幸あれ。