こちらは職人、ただいま交信中!

いきていく物語です。

気が向いたときに、思ってることを書いていきます。
相互に「交信」をする場です。コメントおよびトラックバック歓迎です。
主に鉄道と飛行機を利用する旅人です。
2008年にoneworld Sapphire、2016年にStar Alliance Goldのステイタスを取得。これらを有効に活用した空の旅についても発信していきます。
日本国内の無線従事者資格や、関連資格の多くを取得しており、その受験記も蓄積しています。
内容には誤りがないよう努めますが、誤りがないことの保証はいたしかねます。

統一展望台

乗り込んだバスはマイクロバス。参加者は他のホテルのメロンヲタ含め、10名くらい。郊外へ走りだす。「北」と「南」は、ある日突然分断されたため、家が「北」なのに勤務先が「南」の人は、家に帰れなくなったりした。こうして家族は分断され、そして先祖のお墓参りもできなくなった。きのうまでのヲタ気分とはうって変わって、悲しい歴史と現実を感じるツアーが始まる。

バスは、高速道路を走るが、左手に漢江があり、そのへりに、有刺鉄線がある。ここから向こうには、民間人は入れない。兵士の小屋みたいなのも川沿いに所々見られ、軍事境界線周辺には地雷も敷設されてるとか。はるか彼方には、北側の山肌が見える箇所もある。北側は、燃料不足のため、木が伐採されまくってはげ山になっているところが多いのだという。いつの間に左側の川もイムジン江になっている。この川にかかる橋の直前まで行くが、虎模様の柵で阻まれているところを見て、Uターン。渡ってしまえば板門店方面なのらしいが、普通では行けない。ここから板門店は6 kmくらいで、「北」は見えない。

で、今度は、鉄道線路の京義線のわき、自由の橋へ向かう。兵士の小屋の周辺は撮影禁止ということで、緊張が走るが、その先の自由の橋では、案外自由だった。記念撮影などしてみる。しかし、ここは少し前まで開放されていなかったそうで、先人の努力のようなものを感じる。周囲は公園みたいになっており、普通にファミマがあるのに驚き。SK Telecomにローミングしたソフトバンク携帯も、アンテナ3本。普通に、韓国人も訪れる観光地らしいが、先祖の墓が「北」にある人が、かわりに参拝に訪れるための「望拝壇」という石碑もあり、重々しさがあった。そういえばハングルだらけの韓国の看板だが、コンビニと携帯屋だけはわかりやすい。KTグループのKTFと、石油会社も擁するSKグループのSK Telecomと、LGグループのLG Telecomは、すっかり見慣れてしまった感じがする。

そして今度は、オドゥサン統一展望台へ向かう。日本語の説明ビデオを確か4階で見ることができる。この展望台は、漢江とイムジン江の合流地点にあり、なんと川のど真ん中に軍事境界線が走っており、対岸はもう「北」の領土なのだという。今までは見えてもはるか彼方だったのだが、ここでは普通に肉眼で大きく見れるのだ。コインを入れる方式の望遠鏡があり、かわりばんこに景色を拝むが、見えるのは「北」の建物。なんの説明もなければ、国境線が走っていることにも、そしてそれがただの国境線ではないことにも、気づかないほどだ。人間が作った境界線の、残酷さを、かえって感じさせられた。

あと、展示室では、北朝鮮人の暮らしとかを「もの」でわかるようにしていたが、韓国企業の製品が結構北朝鮮の工場で製造されていることを知る。ラジカセ、電話機、靴とか。どうやって行き来してるんだろう。

いいカメラを持っていかなかったのは、後悔。