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第1級陸上無線技術士 平成17年1月期講評

いつか各問題ごとの講評を完成させようと思っていましたが、なかなか時間が取れなかった中、無線工学の基礎と無線工学Aのができたのでここで公開します。コメントお待ちしております。他の科目のがいつ完成するかは、コメント次第です。ご健闘をお祈りいたします。

全体的な講評はこちら。
id:shocknin:20050206#p2

無線工学の基礎

自己採点93点(125点満点、合格点75点)

[A-1](正解)
x軸をパラメータとする電位分布から符号付きの電界の大きさを求める問題。
電位をxで微分してマイナスをつければよいので正解は5となるが、区間[0.1m, 0.2m]にて電位がゼロであることを利用すれば、簡単に2と5に正解を絞ることが可能。

[A-2](正解)
円形コイルAによる磁界の大きさはI/(2r)の公式より1[A/m]であり、右ねじの法則(電流の向き=右ねじの進む向き、磁界の向き=右ねじが回る向き)より磁界の方向は紙面の手前。
直線導線Bによる磁界の大きさはI/(2πr)の公式より1[A/m]であり、右ねじの法則より方向は点Oでは紙面の下向き。
したがって2つの1[A/m]の磁界が直交することとなり、答えは3となる。

[A-3](正解)
電波受験界の解説とは違う方法で解いた。自分の解答法を解説する。
まず、ωt=π/2のときに(e1+e2)がとるべき値、6になってるっぽい波形はアかイである。

これだけだと正解を絞れそうにないので、各波形をωtで微分してみる。
ωt=π/2のときに「(e1+e2)をωtで微分したもの」がとるべき値、-2になってるっぽい波形は、イしかない。(アは正の値、ウとエは0)(結局、最初にアかイに絞った過程は不要。)

よって、(e1+e2)はイとなり、選択肢が3に絞れたが、念のため話を続ける。
「(e1+e3)をωtで微分したもの」は、ωt=π/2のときに0にならなくてはいけない。またωt=πのときに-12にならなくてはいけない。この2つの条件をともに満たす波形はウしかない。したがって、正解は3で間違いない。

[A-4](正解)
穴Aについてはずばり自己インダクタンスの定義、L=Nφ/Iとして暗記しておいてもいいが、コイルの両端電圧=(dNφ)/(dt)=L(dI)/(dt)という関係式として覚えた方が効率的と思う。(この問題では「コイルの両端電圧」はコイルに電流を流した結果生じる電圧であり、磁気回路に磁界を与えたときに発生する起電力とはプラスマイナスが逆なので、Lの前にマイナスはつかない。)

穴Bについては、φとBとHの関係を落ち着いて整理すれば埋めることができる。Bは磁束「密度」というくらいなので、φを断面積Sで割ればいい。

[A-5](正解)
ごく普通に、ブリッジの平衡条件から周波数を求めればいい。分数式の通分がめんどくさいが根気よく計算すること。

[A-6](不正解)
コイルを通過する磁束Φは
Φ=Bab cosωt
また、起電力Vは
V=-d(NΦ)/(dt)=NBabω sinωt

よって、起電力の周波数はf=ω/2π=60Hzとなり、正解は1か5に絞られる。

一方、Vm=NBabω=192πより、N=200となり、正解は5となる。

しかし本番時筆者は、V=-(dNΦ)/(dt)とすべきところをV=-(dΦ)/(dt)と考えて悩んでしまい、Nの式がその後現れずNを求められなかった。したがって1か5から当てずっぽで1を解答し、不正解。

反省点:Nがどう寄与するかを正しく認識する必要がある。

[A-7](正解)
電源をACとDCに分け、それぞれの電圧による電流を求めると3A、4Aとなる。
これらの2乗を加算しルートをとった5AがIの値であり、正解は3となる。

[A-8](正解)
正攻法としては電波受験界で解説されているようにQとω0とLとRの関係式を用いることだが、それが出てこなくても、Qの定義から選択肢を絞ることが可能。

周波数によるQの定義、Q=f/Δfから、正解が1か3か4に絞られる。
また周波数f1における抵抗の消費電力は、共振時(10W)の半分であり、正解が1に絞られる。

もちろん、この解法は選択肢がたまたま都合よくできていたため成立したものであり、本来は電波受験界の解法でQを直接求められるようにしておくべき。

[A-9](正解)
定番問題であるが、考え方をおさえておくべき。

[A-10](正解)
これも定番問題。まずこれはMOSFETの記号だということを知っておくべき。矢印が内側を向いているからチャネルはN形で、D端子S端子の間が鎖線なのでエンハンスメント形、ということを暗記しておくべき。その上、エンハンスメント形はゲート-ソース間電圧が零のとき電流は流れないということを知っておくべき。したがって正解は5。

[A-11](不正解)
問題となっている電磁集束偏向形のブラウン管は、普通のテレビのブラウン管の方式である。一方静電集束変更形は、測定器で使われる。どのみち、問題の電磁集束変更形は電子の運動エネルギーに影響を与えないので、穴Cより選択肢は2か4か5に絞られる。(静電集束変更形は電界中を電子が通るため、その電界による電位変化が起きる。)穴Aと穴Bは暗記するしかないようだが、測定器とテレビと、どっちが速い応答速度を要求されるかを落ち着いて考えればBが埋まり、正解の4に絞れる。筆者は穴Aと穴Bを埋められず、2と解答。

[A-12](不正解)
穴Aは、小学校6年生くらいで教わったCdSセルの知識なのに、ど忘れ。そのため正解が1のところ5と解答してしまった。穴Bは「低く」なのは基本的な知識だが、穴Cはかなり突っ込んだ話だと思う。穴Cに何を埋めるべきかはまぐれで当たったが、穴Aを誤ったので不正解。

[A-13](正解)
演算増幅器(世に言うオペアンプ)の基本的な使い方を知っていれば、普通に計算で解ける。
(1) 穴Aの電圧Vは、1[V]の電圧が演算増幅器の正相の入力端子につながった2つの抵抗で等分に分圧されるから0.5[V]となる。
(2) このVは逆相の入力端子の電位に等しいから、4[V]の電池の正極につながった抵抗での電圧降下は3.5[V]となる。したがってオームの法則からI=3.5[mA]となる。
(3) 逆相の入力端子での電位である0.5[V]から、出力端子につながった抵抗によってさらに3.5[V]電圧降下するから、出力電圧は-3.0[V]となる。したがって「出力電圧の大きさ」は、絶対値をとり3[V]。
したがって1が正解。

[A-14](正解)
分数計算が発生するので、計算ミスのないよう気をつける必要あり。しかし、地道に計算すれば正答可能。
基本的な考えとして、hFE=100より、抵抗Rを図の左側に流れる電流はIC/100である。あとは2[kΩ]の抵抗と抵抗Rの電圧降下とVBEの和が電源電圧となるようなRの方程式を立てることができ、正解は3となる。

[A-15](不正解)
jkフリップフロップ自体をまったく知らず、惨敗。これって無線の試験だよね?

[A-16](不正解)
まったく歯が立たず、惨敗。C1の両端にはVの直流電圧、C2には2Vの直流電圧が生じるものだということを知っていないといけないようだ。

[A-17](正解)
整流の仕組みがわかれば半分は解けたも同然。ただし問題の計器は可動コイル形のため平均値に支配されているが、正弦波の実効値で目盛ってあるので、読み替え方をわかっていないといけない。ある正弦波の実効値と平均値の比を求め、20Vという表示値を置き換えることにより求められる。比は暗記しておく必要はなく、現場で積分計算しましょう。

[A-18](正解)
測定値からそのまま求めた電力値は51[W]、一方電圧計での消費電力は1[W]であり、Rで実際消費される電力は差し引き50[W]となる。よって(51-50)/50=2%

[A-19](不正解)
問題用紙に意味不明な式が残っていて、力尽きて不正解だったが、共振条件(ω^2)L(CS1+C0)=1で解けるようだ。

[A-20](正解)
C1はもとの静電電圧計と同じ容量を選べばよい。(もとの静電電圧計の両端にかかる電圧が10kVになるようにすればいい。)C2の値を選ぶ際も、もとの静電電圧計の両端の電圧が10kVになるように考えればよい。

[B-1](正解、正解、正解、正解、正解)
高校物理。

[B-2](不正解、不正解、正解、正解、正解)
テブナンの定理の定番問題で、本文を読みながらの穴埋めは完璧だったのに、マークシート転記用に脇に書き出す時点でアとイをミス。

[B-3](正解、正解、正解、正解、正解)
知っているべき問題であり、コメントしようがない。1アマ2アマでも出ると思う。

[B-4](正解、正解、正解、正解、正解)
アとイは数値そのまんま使用。ウとエとオは「知っているべき」類の問題。1アマ2アマでも出てると思う。

[B-5](正解、正解、正解、正解、正解)
こつこつ計算しなくてはいけないが、こつこつ計算すれば絶対解ける問題。

無線工学A

自己採点108点(125点満点、合格点75点)

[A-1](正解)
時定数の意味を知らなくても、ディメンジョンの概念がわかっていれば4が誤りだとわかるでしょう。ある意味高校物理の問題です。どのみち2と3が真なら4には意味がないことは納得できるでしょう。4以外の選択肢は放送屋さんには常識問題。

[A-2](正解)
Aは(b)だと知ってなくてはいけない。
BはAについて普通のAM検波をした結果を答えればいいので、Aの両側に側波が存在するfcから0.75MHzの区間が、上側しか側波のない1.25MHz以上の区間の倍の振幅を持っているものを選ぶことになる。Aのスペクトルに(f)を乗算した結果を自分で描画してみれば、Cに当てはまるのは(f)だと納得できるでしょう。

[A-3](正解)
基本的なところを知っていれば、文を読みながら答えが出てくるでしょう。PSKとかQAMの類はよく復習しておきましょう。

[A-4](正解)
一般常識問題。念のため書いておくと、AC3は音声の符号化方式。

[A-5](正解)
落ち着いて普通に計算すればよい。

[A-6](正解)
これも地道に計算。kTBFをdBの次元で計算する。

[A-7](正解)
これも放送屋さんの常識問題。とにかく知っておくこと。

[A-8](正解)
Aの雑音制限感度とか利得制限感度はまじわからなかったが、BとCは明らかにわかったので1と4に絞り込めた形。当てずっぽで4を解答し正解。Bは周波数の関係図を書いて落ち着いて考えること。

[A-9](不正解)
計算ミス。振幅の加算をちゃんと計算しなかった。

[A-10](不正解)
計算ギブアップ。電波受験界の解答を見ると、なぜギブアップしたかわからないのが正直なところ。1度自分で解いておくべき問題だ。

[A-11](正解)
正解(誤り)の選択肢である2を見た時点で、サービス問題とわかるでしょう。

[A-12](正解)
レーダ方程式を現場で導出して、それを見ながら考えましょう。レーダ方程式は暗記する必要はありません。自分で求められるようにしておきましょう。

[A-13](正解)
サービス問題。

[A-14](不正解)
解き方を知らないと求められない問題だが、1総通のいつぞやの過去問に出てたことをあとで知った。80の逆数を4回(C/N比80の雑音が4種類あるので)足しさらに逆数を取った20が正解。1総通の問題も見ておきましょう。

[A-15](正解)
簡単な問題だが、問題の日本語をよく読み、高いのか低いのかを間違えないようにしましょう。

[A-16](正解)
真の立ち上がり時間とオシロスコープの立ち上がり時間のそれぞれの2乗を、加算しルートを取ったのが測定値だということを知っていないといけない。

[A-17](正解)
説明するまでもない。この試験を受ける人でオシロスコープを知らん人はおらんでしょう。個々の入力チャネルに別々の正弦波を入力すれば当然個々に測定できるけど、問題では複数の正弦波が1つに加算された信号を意図しているので、個々に測定できるはずなし。

[A-18](正解)
AとBの穴より、正解を1と2に絞ることができる。ここでCの選択肢を見て、2が意味のないことがわかるので1が正解。(Bの穴でB2/A1がわかっているのに、Cの穴にその逆数のA1/B2が入る意味がない。)

[A-19](正解)
AとBの穴だけで正解の3が求まってしまうが、電磁波が管内を伝搬しないのだからCは迷わず遮断波長。管内波長は直径方向に対してはあまり意味のない値。無線工学Bの内容を含んでいるということ。

[A-20](不正解)
Bの穴埋めを間違え4が正解なのに3を解答。血迷わないこと。

[B-1](正解、正解、正解、正解、正解)
相互変調、特に3次相互変調についてきっちり復習しておくこと。

[B-2](正解、正解、正解、不正解、正解)
エに当てはまるのは振幅だが、血迷って周波数と思いこみ。あとは、落ち着いて考えればクォドラチュア検波器を知らなくても解けるでしょう。

[B-3](正解、正解、正解、正解、正解)
定番過ぎる問題。

[B-4](正解、不正解、正解、正解、正解)
厄介な航空ものだが、覚えておくしかない。記憶違いでイを不正解。

[B-5](正解、正解、正解、正解、正解)
あまりに定番。FM波の式とともにきちんと理解すること。