こちらは職人、ただいま交信中!

いきていく物語です。

気が向いたときに、思ってることを書いていきます。
相互に「交信」をする場です。コメントおよびトラックバック歓迎です。
主に鉄道と飛行機を利用する旅人です。
2008年にoneworld Sapphire、2016年にStar Alliance Goldのステイタスを取得。これらを有効に活用した空の旅についても発信していきます。
日本国内の無線従事者資格や、関連資格の多くを取得しており、その受験記も蓄積しています。
内容には誤りがないよう努めますが、誤りがないことの保証はいたしかねます。

きょうのお勉強

電気通信主任技術者伝送交換主任技術者)の平成16年度第2回試験の、「伝送交換設備及び設備管理」の科目の問4の(2)の(ii)について、筆者の所見を述べる。装置の信頼度を、各部品の故障を仮定し場合分けして求める問題であり、最終値は与えられているのだが、その過程の数字が穴埋めになっているというもの。

「考え方1」
(a), (b), (c)の各場合について、問題ではそれぞれ場合分けの前提条件が与えられている。多くの受験生はその前提条件のもとに、信頼性を計算し穴埋めをしたと思われる。(受験勉強のため問題演習中の立場にある筆者もそうした。)したがって(カ)、(キ)、(ク)の穴にはそれぞれ0.81, 0.89, 0.99が入ることになる。

「考え方2」
一方、出題者は上記の前提条件が発生する確率で重みづけした値を穴埋めしてもらうことを想定したようで、(カ)、(キ)、(ク)の穴にはそれぞれ0.08, 0.09, 0.80(にあたる選択肢の記号)を正答として発表したようである。筆者が受験勉強で使用している、日本理工出版社刊「電気通信主任技術者試験 全問題解答集<共通編>05〜06年版」でもこちらの考え方をとっている。

考え方2の数字を単純加算すると、問題の装置の信頼度0.97が導かれる。これは当たり前。
一方、考え方1の数字についても、各場合の発生する確率で重みづけした上で加算すれば、同じこと。
(各場合は互いに排反事象なので。)
計算過程で現れる数字の意味をわかっていれば、重みづけをいつするかは問題でない。

したがって「考え方2」のみならず「考え方1」も正解扱いにしたのは、至極当然で適切な処置といえる。しかし、今回は偶然両方の考え方に沿った選択肢がこの問題に存在したのが救いであって、本来こういう解釈の別れが生じるような問題はあってならないと考える。例えば選択肢に0.99だけ抜けていたとすれば、受験生にとって無駄なオーバーヘッドタイムが生じる。「考え方2」の解釈を求めるのなら、「部品Aが故障しているという条件の下での」と書かずに、「部品Aが故障しておりかつ」のように書くべきだ。

工学の言葉遣いとして不適切な問題があっては、試験の社会的信用にもかかわるということを、出題者には肝に銘じてほしい。