万博あれもこれも禁止
愛知万博への弁当持ち込みが一部緩和されましたが、まだまだ一悶着もふた悶着もありそうです。
え〜、あれも持ち込み禁止?
持ち込み禁止物に関するトラブルが絶えない愛知万博。小泉首相の「指導」もあり、家庭で調理した弁当に限り本日解禁となった。しかしながら、菓子パンがシロで焼きそばパンがクロだったりと、複雑な判断基準は依然残る。また思いもよらぬものが持ち込み禁止とされる問題が浮上している。そこで本紙はきのう1日の入場者のうち、持ち物を入場口で没収されるか、ロッカーにしまわされた客にインタビューを行った。結果、とんでもない事実が判明した。
たまたまリュックの奥に入っていたレジ袋を没収された主婦
「不快な音を鳴らすことができ、人に精神的苦痛を与える道具として使用されかねないとして取り上げられました。こんなものを取り上げるのにも驚きですが、理由が難癖のようで納得いきません。」
当日の新聞を没収された会社員
「丸めてメガホンにすることができ、騒ぎを起こす道具になりかねないと言われました。まだ全部読んでないのに…。しかも、その場でびりっと破られたのが不快でたまりません。」
携帯用ゲーム機をロッカーにしまわされた大学生
「ゲームに集中してしまうと、転んでけがをしかねないと言われました。愛知って昔は管理教育で結構問題になりましたけど、こんなところで復活するとは思ってませんでした。当然捨てるわけにいかないのでロッカーにしまうことになりましたが、せっかく列に並んでたのが無駄になったのがイヤですね。そんなに長い列じゃなかったですけど。」
携帯電話に入っているゲームを消させられた会社員
「ゲームに熱中して転んでけがしないようにと、消させられました。子どもじゃあるまいしあきれますよ。パケ代定額ですし今日中(月末まで)なら再ダウンロード可能なので被害はないですけど、というかここでいま再ダウンロードしたんですが。そこまで見るかぁ?という感じです。別のゲートをくぐった連れはちょっと古い携帯なのでそこまで見られなかったですけど、それとはまた別のゲートを連れは、5年前の古いケータイなのにしつこく調べられました。判断基準がこんなにあやふやなのにもあきれます。もう来たくないですね。」
以上のように、主催側のおせっかいぶりが判明した。にもかかわらず、万博のホームページには持ち込み禁止物に関する説明が見あたらない。これに対し博覧会協会では「持ち込み禁止物の基準は慎重な議論を重ねて作成したものである。弁当の件も首相の指示があったから緩和に動いたのでなく、協会内で再度慎重な議論を重ねた結果である。事前に詳しい説明をしないのは、テロリストに手のうちを明かさないことが最大の理由だが、持ち込み禁止の指摘をさせていただいた来場者におかれましては運が悪かったと思っていただきたい」と、反省の色が見られない。続けて「没収させていただいたゲーム入り携帯電話はリサイクルし、地球に優しい処理を行うので、ゲームを消したり並び直すのがいやならおとなしく預けていただきたい」と、ずいぶん傲慢な説明。しかし焼きそばパンの持ち込み禁止については「いまさきほど小泉首相から見直し要請があったので、見直す方向ではあるが、あくまで協会内での慎重な議論で結論を出す予定であり、決して首相の要請だから検討するわけでない」と、キツネにつままれたような説明をしている。協会がこんな考えでは、万博の真の目的が果たされるわけはないだろう。協会が人々の声を聞かず、お上にへつらっている現状では、もう二度と日本でこのような祭典が開かれることはないだろうし、真の自然保護ができるわけもない。地元愛知が、そんな現状の舞台になっていることがとても恥ずかしい。この万博が真の意味で大成功に終わるよう、猛省を促したい。
(4月1日 名古屋夕イムズ)